【CLASS9】「森の饗宴で学ぶ暮らしのデザイン」開催レポート【2/2】

※本記事は「【CLASS9】「森の饗宴で学ぶ暮らしのデザイン」開催レポート【1/2】」の続きです。ゲストスピーカーの講義や、体験タイム、熱のこもったトークセッションのようすをご紹介します……!

 

 

■ ゲストスピーカー、家具デザイナーの小泉誠さん

 

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山梨のおいしい食材を楽しみながら、いよいよ、ゲストスピーカーによる講義が始まります。

 

この日のゲストスピーカーは、家具デザイナーの小泉誠さん。小泉さんは木工技術を習得した後、デザイナー原兆英氏と原成光氏に師事。1990年にKoizumi Studioを設立し、2003年にはデザインを伝える場として「こいずみ道具店」を開設しました。

 

現在は建築から箸置きまで、生活にかかわるすべてのデザインを手がけ、日本全国のものづくりの現場を駆けまわり、地域との協働をつづけています。

 

「今日の話が、何か少しでも、これからのみなさんの暮らしのヒントになれば嬉しいです」と小泉さん。

 

 

 

■ じっくり続く、持続可能なデザインを目指して

 

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「デザイナーが行っているデザインの種類は、おおむね3つに分類できる。すぐ売れるデザイン、売れないけれど有名なデザイン、じわじわと長く売れる、持続可能なデザイン。僕自身はこのうち、じっくり売れる持続可能なデザインをしています」と、小泉さん。

 

その一例として紹介してくれたのが、こちらの古道具の燭台。螺旋状の鉄を、木の土台にさしたこちらの燭台は、ろうそくが短くなると螺旋状に沿ってろうそくが上へあがるしくみになっているのだそう。さらに、小さな丸い取っ手のようなものは、火を消すキャップが掛けられているのだとか。

 

「丈夫で壊れにくいこと。機能が(八分でも十二分でもなく)十分であること。そして愛着をもてること。これを僕は持続可能な道具のデザインの三原則と言っています」。

 

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高度経済成長期を通して、日本のものづくりが、“よいものづくり”から“売りやすいものづくり”に変わってきてしまった、という小泉さん。

 

外国製品も増え、価格勝負の風潮のなかで、プライドを持っていいものをつくろうとしても、高ければ売れなくなるから手をかけるな、と言われてしまう状況があるとか。そしてそんな状況が続き、自分たちの子どもには跡を継がせたくない、という職人が増えてきているのだそうです。

 

でもそんな状況のなかで、「日本でしかできないものづくりもある」。実際小泉さんが取り組んでいる一例として紹介してくれたのが、現在では絶滅危惧種とも言われるホーローのケトル製作のエピソード。

 

「普通、コーヒーを淹れるドリップケトルは注ぎ口自体が細くなっています。ただホーローでこれをやると(釉薬が)詰まってしまう。そこで考えたのが三角形の断面の注ぎ口。これによって、少し傾ければ細く注ぐことができますし、たくさん傾ければ普通のやかんのように太くも注げる、という万能なケトルになりました。さらに職人さんは、注いだときにお湯がまっすぐ下に落ちるように、200個も試作品をつくって完成させてくれました」

 

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デザイナーと、職人、それぞれ異なるプロがアイデアや技術を教え合い、工夫をこらし、質にこだわり抜いて生み出されたケトル。そして小泉さんは作り手だけでなく、使い手であるみなさんもプロであると語ります。

 

「シンプルな生活をしていても、食器や台所用品など、毎日の生活の中で使うものはあるはず。自分の身の回りのものを見直して、よいものを選んで使っていただくことで、ようやく日本のものづくりも持続できる状況に立ち戻れてきています。使い手もプロであるという視点を持ちつつ、生活道具を楽しんで、かけがえのない道具として使っていただけるといいなと思います」。

 

 

 

■ 山梨の木材と技術を活用した新空間、「箱の間」

 

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会場に2つ展示してあった新空間箱の間も、そんな小泉さんがデザインを手がけたもの。

 

「箱の間」は、「家具」よ りも大きく「部屋」よりも小さいサイズで、「部屋の中の“小屋”」を意識して生まれた商品。 リビングなどに設置することで、仕切ったり囲んだりと間取りを変化させ、住まいに新しい居場所をつくることができます。

 

使われているのは、小泉さんをはじめとする三菱地所グループを中心とした製作チームが山梨まで足を運び、山林や材木店を巡ったうえで吟味した木材。その材をもとに、その地域でものづくりされている方と意見交換を重ね、実に約9ヵ月の試作を重ねて完成したのだそうです。

 

「これからみなさんがお住まいになられる部屋のなかで、空間を仕切ったり、ひとりになれる書斎や趣味のスペースができたり、いろいろなことに活用できればということで、山梨の材料や山梨の技術を活用しながらつくっています。ぜひ後で体感してみてください」と締めくくりました。

 

 

 

■ 全員とことばを交わそう、ひとこと自己紹介

 

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講義後は、 今回初の試みとして取り入れられたひとこと自己紹介タイム。

 

「せっかくこの場に集ったメンバー。グループごとだけではなく、ひとことだけでも全員と会話を

 

ということで、名前や部屋番号、出身地という簡単な内容で、共通点探し。列になって順々にことばを交わしていきます。

 

違うグループの中でも、同世代の方がいたり、もしかしたら故郷が同じ方がいたり……、ということも。そこからまた何か新しいつながりが生まれるかもしれません。

 

 

 

■ 「箱の間」やドリップケトルの使い心地を体感できる“体験”タイム

 

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座って一方的に講義を聞いているだけではないのが『西新宿CLASS in the forest』。

 

懇親タイムに続いては「体験タイム」ということで、先ほど小泉さんのお話にあったこだわりのドリップケトルで実際にコーヒーを入れたり、「箱の間」の空間に触れて体感する時間をご用意しました。

 

注ぐ太さを自在に調整できる注ぎ口に、お湯が真下に落ちる、作り手の思いが詰まったドリップケトル。

 

使い手である参加者の方々も、話を聞くだけではなく実際に日常で使うシーンを体験することで、暮らしの道具としてのイメージを実感されていました。

 

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こちらは 山梨の木材から生まれた「箱の間」体験。

 

「男性は家の中で書斎を持つのがなかなか難しいが、これなら書斎をもてそう」「娘がふたりいるので、ふたつ向かい合わせて半個室のように使うのもよいかも」など、暮らしのなかでのイメージを膨らませている方々もいらっしゃいました。

 

 マンションの部屋の大きさには限りがあります。
この「箱の間」は部屋の中の「小屋」を意識した商品であり、空間の中に新しい居場所を提案しています。
商品化を進めているとのことですので、「ザ・パークハウス 西新宿タワー60」の皆様のお部屋の中にもいかがでしょうか?
 今後の展開に期待したいと思います。

 

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■ トークセッション、いよいよスタート

 

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最後の座学は、トークセッション。

 

ゲストスピーカーの小泉誠さん、またナビゲーターである「NPO法人えがおつなげて」の曽根原久司さんにご登壇いただき、『西新宿CLASS in the forest』の企画を行うHITOTOWAの荒昌史が進行役を務めます。

 

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「今日のトークセッションは、小泉さんのお話のなかでも出てきた、こだわり、プロ、暮らしなどのキーワードを中心に進められればと思います。私自身は木が好きで、内装も外装も国産木材でできたコーポラティブ住宅で暮らしています」と荒。

 

セッションに入る前に、まずはナビゲーターの曽根原さんより、活動のご紹介をいただきます。

 

 

 

■ 日本の田舎は宝の山。その資源を都市で活用できるつながりをつくりたい 

 

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現在、山梨県の農村に暮らしながら、農山村と都市をつなぐ活動を20年間やってきたという曽根原さん。その活動を行っている理由は「日本の田舎は宝の山だと思うから」だと語ります。

 

「日本の田舎には使われていない資源が山程ある。例えば日本の森林率は、世界の先進国のうち第2位。大森林国家です。けれど過疎高齢化で山に人が入らず、山は荒れ放題。耕作放棄地は、40万ヘクタール、東京都二個分ほどになる。そんな状態を解決するには、都会と田舎をつなぐことが重要なのではと思ったんです」。

 

「林業者の方が、せっせと切ってきた木材を『少し曲がっている』『少し傷ついている』という理由で、ブルドーザーで土に穴を掘って大量に埋めている。それを見て衝撃を受けた」と曽根原さん。これを都市の生活でなんとかいかせないかと、三菱地所に情報を共有し、実際に三菱地所ホームでは山梨県の木材を活用した建材も開発されるなど、さまざまな連携も行われてきました。

 

活動紹介の結びには、山梨の農山村を都市から招いた人々が開墾する「開墾ツアー」で生まれた合言葉「開墾モリモリ」を紹介。曽根原さんの「開墾〜」の呼びかけに、会場も一瞬戸惑いつつも(?)、みなさん「モリモリ!」とポーズつきで呼びかけに答えてくれました!

 

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■ キーワードは「つながり」、そして「プロフェッショナル」?

 

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続くトークセッションでは、

・おふたりの「こだわり」は?

・その「こだわり」を持ったきっかけは?

などを中心に、いろいろとお話を伺いました。

 

曽根原さんが、「日本の47都道府県すべてに行ったけれど、本当にどこでも、活用されていない資源があってもったいない! 例えば瀬戸内の山の斜面にはレモンがすずなりになっていて、誰も収穫していない。そういったものを活用して、都市と農山村をつなぐことがしたいというのが僕のこだわり」と語れば、

 

「曽根原さんは、もともと都内で働かれていて、都市の事情も知っているからこそつなげられるんだろうなと思います。ものづくりの世界では一方通行が多くて。両方の目線になれるというのが最大の特徴なのではと感じます」と、小泉さん。

 

都市と農山村をつなぐ、作り手と使い手をつなぐ。そして会場の参加者ひとりひとりがつながる。イベント全体通してのキーワード、「つなぐ」が浮かび上がるディスカッションが続きました。

 

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また、小泉さんのお話の中で出てきた「ユーザーも使うプロである」という話から、「椅子はその作り手よりも、日々それに座っている人の方が使うプロ。鍋も、作り手より毎日それを使う主婦の方がはるかに経験値が高い

 

という話が飛び出すと、曽根原さんも

 

農業の道具、桑や鋤の使い手のプロはおばあちゃん。腰は直角に曲がっているくらいの方なんですが、若いスタッフよりも圧倒的に上手。手際はいいし、掘ったらまっすぐに掘っているんですよね」と反応。

 

絶妙なテンポの楽しいトークに、ときに笑いも生まれながら、みなさん熱心に聞き入っていらっしゃいました。

 

セッションの最後に、『西新宿CLASS in the forest』のナビゲーターである曽根原さんからは『CLASS』の活動として行いたい今後の展望も。

 

「西新宿のマンション「ザ・パークハウス西新宿タワー60」と、山梨の農山村をつなぎたい。すでに1度はツアーを予定していますが、テーマはこれから。また、このマンションの庭は森になるということなので、山梨のナラクヌギという広葉樹を運び、シイタケをつくれたらいいなと思っているんです。都市と農山村がつながることによって、おいしいものを食べられるんですよ!

 

こう結ぶと、会場からも笑みがこぼれていました。

 

 

■ 「同じマンションに住む方々の雰囲気がわかり、参加してよかった!」

 

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プログラムの終わりには、感想の共有タイム。再びグループにわかれ、今日のイベント全体の感想や、今後の暮らしについて自由にお話いただきました。

 

続く質疑応答タイムでも、活発に質問が飛び出します。

 

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またアンケートでは、

 

・入居予定者の方と実際に会い、お互いが同じマンションに住む意識が感じられた

・入居者の雰囲気がわかってよかった

・無駄にモノを増やさず、作り手・使い手のプロフェッショナル性を究めた真に良いモノに囲まれて暮らしたいと思った

 ・農村の資源を有効活用する取り組みがよくわかった

・「箱の間」はこどもの勉強場所などに使えそうで興味深い

 

など、たくさんの感想をいただきました。将来同じマンションに住まう方々、近くへ住まう方々と、入居前から交流できることの楽しさや安心感を、実際に感じはじめていただけているようです。

 

 

 

■ 今後もさまざまなイベントを開催します!

 

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今後も『西新宿CLASS in the forest』では、「触れる」「支える」「広がる」をテーマに多岐にわたるイベントを開催していきます。

 

すでに現在、サッカーをしながら防災を学ぶ新しい形のイベントや、木育イベント、さらに防災ワークショップなどの開催が予定されています。

 

また2017年の入居前には「HOMETOWN MEETING vol.3」として、ナビゲーターの方が勢ぞろいし、改めて『西新宿CLASS in the forest』でどのような取り組みを行っていくかを語るイベントも予定。たくさんの入居者の方とつながっていただける機会をご用意します。

 

イベントの日時など詳細は、決まり次第、こちらのホームページにてお知らせいたします。どうぞお楽しみに!

 

 

 


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