「ジビエ料理 試食会」開催レポート【2/2】

※本記事は「ジビエ料理 試食会」開催レポート【1/2】」の続きです。

 

 

■ 増え続けるシカが、廃棄されてしまっている……?!

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いよいよ後半は、ジビエの話へと入っていきます。

 

ジビエについて語るうえでまず理解しておきたいのが、シカやイノシシなどの動物と、森の関わりの現状。

 

「明治時代に乱獲が進み、絶滅の危機に瀕したシカは、最近では保護政策の影響で逆に増えすぎてしまいました。その結果、シカが草や木の皮を食べて森を枯らしてしまったことで、雨が降って土地が流出してハゲ山になってしまった事例などが、全国各地で出ているんです」。

 

他にも、せっかく植えた苗木を食べてしまうなど、林業の被害がとても大きいのだとか。「森林だけで東京ドーム1200個分くらいの森が毎年被害にあっているといわれています」と水谷さん。

 

そこで、各地のハンターがシカを駆除している現状があります。「北海道では今年で約15万頭ほどが駆除され、そのうち食用の肉として流通にのっているのは、だいたい1万〜2万頭程度にすぎません。他はただ廃棄処分となってしまっているのが現状です」。

 

 

■ ジビエを食べて、森のめぐみに感謝する

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そこで最近注目されているのが、ジビエ

 

ジビエはフランス語で野生肉のことで、主にシカやイノシシ、カモなどを指します。日本でも古来から田舎の方では食べられていましたが、先ほどの背景もあり、

近年では流通や衛生面も考えて今一度ジビエを見なおそう、という動きが

出てきているのだそうです。

 

「実はシカ肉は、低カロリーで、低脂肪で、高タンパクで、鉄分たっぷり。ただ、森で殺めている命をもったいないから食べよう、ではなく、私たちの健康にもとてもよい食材なんです」。

 

ちなみに、肉の副産物として出るシカ革も通常は捨てられてしまうので、一般社団法人more treesではこれらの革を有効利用するプロジェクトにも取り組まれているとか。

 

「肉も革も、二階の共用部で使われる木材も、森のめぐみ。日頃、新宿の都心の中でも

日本の森のめぐみを感じていただけるきっかけはいっぱいありますので、

ぜひお楽しみいただければと思います」と締めくくっていただきました。

 

 

■ いよいよ試食! エゾシカのジビエを食べてみよう

 

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こちらが、今回ご用意させていただいたジビエ料理。エゾシカのロースト、エゾシカのすね肉を使用しコラーゲンたっぷりのパテ、そして無添加のエゾシカソーセージです。

 

シカ肉の提供をしてくださったのは、こうしたジビエなど、昔から食べられていた伝統肉を広める活動をされている、特定非営利活動法人 伝統肉協会 理事長の石崎英治さん。

 

頭からエプロンまで、シカのコスチュームに身を包んで登場いただきました!

 

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 『西新宿CLASS in the forest』の3つのコンセプトには「五感で触れる自然」

というものもありましたが、「『触れる』だけではなく、食べて、

体に取り入れてしまうというのも、森との関係として面白いのではないでしょうか?」と、石崎さん。

 

また、東京においても奥多摩ダムの周辺ではシカが増加し、土壌が流出してダムが埋まる危険性から

そこのシカも獲っているというエピソードも紹介。

『食べる』ことでも森とのつながりを感じてもらえれば、とお話いただきました。

 

 

■ 食の体験でジビエへの関心も高まり、質問も続々!

 

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グループ内での会話もお楽しみいただきながら、くつろぎのジビエ試食タイム。「もっとクセがあると思ったけれど、おいしいですね!」「ほんと、さっぱりしていておいしい」「普段はどこで買えるんだろう?」と、みなさん、とても興味津々のご様子です。

 

ちなみに、石崎さんが理事長を務められている特定非営利活動法人 伝統肉協会でもシカやイノシシの通販を行っているということですので、興味を持たれた方はチェックしてみてはいかがでしょう。

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会場からは「脂が少ない印象でしたが、脂はないんでしょうか?」などの質問も。野生動物は皮下脂肪と筋肉がはっきりとわかれているので、いわゆる「サシ」のように筋肉の中に入っている脂はないのだそうです。

 

その後も皆さん、ジビエへの関心を大いに寄せていただき、熱心に質問をされていました。

 

 

■ 西新宿で将来、どんな暮らしをしていきたいでしょうか?

 

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最後に、これまでとは違う方々ともお話いただけるようにとグループをチェンジして、感想の共有と、2年後、西新宿でどんな暮らしをしていきたいか?についてのトークタイム。その後、各グループで話した内容を簡単にシェアいただきました。

 

「ジビエがおいしかった」という声に加え、「引っ越した後はどのスーパーにいったらいいかを話した」など、具体的な生活についてのトークが弾んだというグループも。

 

それを受けて再開発組合 理事長の若村さんからは、近所のスーパーの案内から、かつてこの地で人々が生活を営んでいた旧「けやき橋通り商店会」についてなど、この地で続いてきた歴史についてもコメントをいただきました。

 

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さらに、同じグループにいらした別の女性からは、「今、若村さんから昔の西新宿の様子を伺っていて、また、そんなにぎやかな街になればいいなと思いました」と、笑顔でコメントが。

 

また、「シカ肉が食べられると聞いてきました(笑)」と語ってくださった方もいましたが、皆さんいろいろな動機でまずは会場へ足をお運びいただき、そこでいろいろな方と交流されて、つながりが生まれていくならば、それほど嬉しいことはありません。

 

今後もmore treesさんとはシカ肉のバーベキューで交流会など、いろいろな企画を考えていきたいと思います。「そのときはまたシッカりきてくださいね」との司会の呼びかけに「シカと承りました!」と石崎さんの見事な切り返し。会場でも笑顔がはじけていました。

 

 

■ 西新宿で受け継がれてきた20年来の想いを、未来へつなぐ

 

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会の締めくくりに、三菱地所レジデンスの柴田さんからもメッセージをいただきました。

 

「初めて顔をあわせたときは緊張していたけれど、2時間いっしょに過ごして、2年後に西新宿で暮らすのが楽しみになったという方もいらっしゃると思います。こうして多世代の方々がつながって、心地よいコミュニティが育まれたら」と想いを語る柴田さん。

 

『西新宿CLASS in the forest』というプロジェクトのきっかけともなった、西新宿で20年来続いてきた再開発組合の方々の取り組みにも触れ、その想いをを未来にもつなげてゆきたいと語りました。

 

 

■ 次回は、1月22日(金)に「トーク&ストレッチ」

 

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次回の『CLASS60』は、1月22日(金)に一般社団法人 アスリートソサエティより、200mハードルアジア最高記録保持者である秋本真吾さんをお招きしたイベント、「トーク&ストレッチ」が予定されています。

 

内容の詳細やお申し込みは、12月10日をめどに、こちらの『西新宿CLASS in the forest』ホームページにてご案内を予定しておりますので、今しばらくお待ちください。

 

『西新宿CLASS in the forest』では、今後も皆さんに楽しくつながってゆけるような、さまざまな企画を行っていきます。

 

どうぞお楽しみに。

 


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