※本記事は「西新宿まちしぜん散策ツアー」開催レポート【1/2】」の続きです。
■いざ、西新宿の「まちしぜん」を巡る冒険へ
こちらが本日の、冒険の書。
会場のあった新宿フロントタワーをスタート地点に、神田川や、「ザ・パークハウス 西新宿タワー60」の物件予定地周辺を散策し、いくつかのポイントを経て、新宿中央公園を目指します。
まずはスタート地点のビル前に集合し、奇二さんからコース説明。
お子さんたちも、資料を広げて準備万端のようす……?!
■ 何気ない植栽からも、いろいろな植物や生き物を発見できる?!
意識しなければ普段は気をとめることもない、何気ない植栽から、すでに観察は始まっています。
「これは、ムラサキシキブ。メジロやスズメのくちばしサイズなので、鳥が食べます。僕らも食べられますよ。あまりオススメするほどの味ではないですが(笑)。野鳥が訪れてくれるように、マンションの植栽にも入れていただきました」と奇二さん。
そうこうしているうちに、お子さんたちが自主的に「虫、いた!」と何かを発見。
奇二さんの解説によると、カメムシの一種の赤ちゃんだとのこと。
「すごい、よく見つけたね!」と奇二さんも絶賛です。
■ 視点と意識を変えると、たくさんの自然が存在していることに気づく
少しだけ、視点と意識を変えてみるだけで、実は街の中にたくさんの自然が溢れていることに気づきます。
「まだ、サルスベリが咲いていますね〜」
ひとりでは見落としてしまう、街並みの中に溶け込んでいる植物たち。
奇二さんと歩くとひとつひとつが主役として、次々とスポットライトを当てられていくようです。
■ 鳥の通り道となっている、神田川
神田川にかかる橋に到着。
「よくあの辺りでカルガモがぼーっとしているんですけどね…。あ、あのあたりにある黒い影、あれはもしかしたらカルガモかもしれないですね」
この神田川が鳥の通り道になっている、と奇二さんの解説。神田川があることで、物件周辺の生物多様性が豊富に保たれているのだそうです。
水辺の鳥であるハクセキレイやキセキレイが生息しているのも、神田川のおかげ。
「キセキレイは一般的には山の渓流近くに住む鳥なので、都心ではかなり珍しいですね。見つけたときはびっくりしました」と奇二さんが続けます。
■ 歩くたび、次々と自然の遊びにぶつかる道中
その後も、道中で「おしろい花」を発見しては遊び方を実演したり……、
その横では「僕、ちょうちょつかまえた!」とお子さんが自ら蝶をキャッチし、皆で観察してみたり。
こちらは、ヤマトシジミという蝶だそうです。カタバミという花にしか卵を生まないのだとか。
次から次へとあらわれる生き物や、植物。
お子さんたちも「トンボ! トンボ! 」「ちょうちょ!」「ね~先生! 見て! これは?!」と大興奮です。
さらに木々の間の小道を通りぬけて、進んでいくと……。
次に現れたのは、ヨウシュヤマゴボウ。実をつぶせば、鮮やかな赤紫色。
キジバトなどが食べたりもするそうです。
子どものころに色遊びをしたという大人の方からは「なつかしい〜」という声も。
さあ、手が汚れてしまった!と思ったら……。
奇二さんからは、「このあと、せっけんの実があるからそれで手を洗おうか」のひと言。
さっそく先へと進んでいきます。
ありました!
こちらが、せっけんの木と呼ばれる、エゴノキ。
「マンションの植栽に入れてもらいました」と、奇二さん。
せっけんと同じ成分が含まれているそうで、古くからせっけんとして使われてきたのだとか。
実を手にこすりつけると汚れがとれていくといいます。
「すごい! きれいになっていくね」と、参加者の間でもさっそく実践中。
■ “トトロの木”のおもしろい効果とは?
映画の中で、トトロが寝ていた木、クスノキ。
「実はクスノキっておもしろくて、アオスジアゲハという蝶が卵を産みに来る木なんです。なのに、この葉っぱは虫を避けるという防虫剤の効果もあるんです」
そう言って、カバンから持参したクスノキの材を取り出して削ると、周囲から「あ、いい香り〜」との声。
■ いよいよゴール間近。新宿中央公園へ!
そしてついに最終目的地、新宿中央公園へ。
「この公園の中でも特に、生き物のために設計されたゾーンがあるので、そこへ向かいます」
と、公園内をさらに進んでいきます。
公園内にある斜面は、渡り鳥の通り道になるのだとか。
「春に機会があったらぜひここを見てください。斜面の森は鳥が好きなんです。GWのころ、オオルリとかキビタキとか、それこそ軽井沢にいるような鳥が南から渡ってきて、ここで1週間くらい休むんですよ」
センダイムシクイという渡り鳥は、「ショウチュウイッパイグイー」と鳴くのだそう。
奇二さんは「GWごろに、この鳴き声を聞きにここにまた来てください」と語っていました。
■ ビオトープで、ナガサキアゲハに遭遇し、ゴール!
ゴールは、新宿中央公園内のビオトープ。生き物たちのために環境が保たれたゾーンで、人は決められた時間だけ、入ることができることになっています。
ビオトープに足を踏み入れて、さっそく挨拶にきてくれたのが、ナガサキアゲハ。
「アゲハチョウは、みかんの葉っぱに卵を産むんですね。マンションの植栽にもみかんは入れさせていただいたので、アゲハチョウが来てくれると思います」
触れ合わせてもらった後は、感謝の気持ちを込めて、そっと葉っぱの上へ。
■おわりに
結構な距離を歩いたにも関わらず、あっという間に感じられた散策ツアーも、ここで終わり。
奇二さんは、「また他の季節にも会えることを楽しみにしています」と締めくくりました。
目で見て、手で触れて、耳で聞いて、匂いを嗅いで、ときに舌で味わって。奇二さんというすばらしいナビゲーターの力により、まさに“五感で触れる自然”を存分に体感できる散策ツアーとなったのではないでしょうか。
また印象的だったのは、散策を進めるうちに自然と参加者どうしの会話が生まれ、初対面の方々どうしが仲良くなっていくようすが見てわかるほどだったこと。
これから続いていくゆるやかなつながりの芽を、確かに感じる機会となりました。
■ 次回は、11月21日(土)に「ジビエ料理 試食会」
次回の『CLASS60』は、11月21日(土)に食でつなぐ森のものがたり「ジビエ料理 試食会」が予定されています。
「ザ・パークハウス 西新宿タワー60」で『クリエイティブスペース』や『ミーティングスペース』の空間プロデュースを担当する一般社団法人more treesの水谷伸吉さんをナビゲーターにお招きし、「森とジビエ」に関する知識を身につけ、実際にジビエ料理を口にし体験で学びます。
詳細やお申し込みは、下記のイベント告知をご覧ください。
どうぞお楽しみに。