ネイチャーガイドとしても活躍する「NPO法人生態教育センター」主任指導員の奇二正彦さん。あらためて西新宿という地域を歩き調査して、意外な発見をしたといいます。
「神田川沿いが面白かったですね。カルガモやハクセキレイなどの野鳥が生息していたり、川沿いの桜や楠などが緑の道をつくっていたり。都心の新宿に緑があるという印象はなかったのですが、歩いてみると学校の植栽、家の庭など『点の緑』が多くあり、それが新宿中央公園など比較的大きな『島の緑』と有機的なネットワークを築いているということがわかりました」
本物件のふもとにできる「結いの森」も、周辺の蝶や野鳥を調べ、在来の生き物たちが訪れてくれるような植栽計画が大切だと語る奇二さん。また、その森が生き物と出会う場だけではなく、人々のつながりが生まれる場にもなればと構想を描きます。
「自然観察ツアーなどを通して、誰もが本来持っている『自然を楽しむ力』を思う存分に発揮して、より深めていけるような取り組みができたらいいなと思います。親子で学び合う場になったり、自然を軸に住民同士の会話が弾んで仲良くなったり。毎日の暮らしの中にそんな森があるといいですね」


「点の緑」をむすぶ「結いの森」で
住民同士のつながりを育む

NAVIGATORNPO法人生態教育センター
websitehttp://www.wildlife.ne.jp
主任指導員 奇二正彦さん
株式会社生態計画研究所主任研究員。立教大学文学部卒業後、ニュージーランドの美術学校、JEEF自然学校指導者養成講座、自然映像プロダクションなどを経て、現職。立教大学非常勤講師。専門は生物多様性調査、環境教育、展示企画デザインなど。
主な活動
生物多様性、自然環境の保全と回復を目指し、特に“生きもの”に焦点を絞った環境教育活動=生態教育(エコロジカル・エデュケーション)を実践。日本各地での多様なフィールド体験、環境教育プログラムおよび指導者育成プログラムを提供。