ネイチャーガイドとしても活躍する「NPO法人生態教育センター」主任指導員の奇二正彦さん。あらためて西新宿という地域を歩き調査して、意外な発見をしたといいます。

「神田川沿いが面白かったですね。カルガモやハクセキレイなどの野鳥が生息していたり、川沿いの桜や楠などが緑の道をつくっていたり。都心の新宿に緑があるという印象はなかったのですが、歩いてみると学校の植栽、家の庭など『点の緑』が多くあり、それが新宿中央公園など比較的大きな『島の緑』と有機的なネットワークを築いているということがわかりました」

本物件のふもとにできる「結いの森」も、周辺の蝶や野鳥を調べ、在来の生き物たちが訪れてくれるような植栽計画が大切だと語る奇二さん。また、その森が生き物と出会う場だけではなく、人々のつながりが生まれる場にもなればと構想を描きます。

「自然観察ツアーなどを通して、誰もが本来持っている『自然を楽しむ力』を思う存分に発揮して、より深めていけるような取り組みができたらいいなと思います。親子で学び合う場になったり、自然を軸に住民同士の会話が弾んで仲良くなったり。毎日の暮らしの中にそんな森があるといいですね」