「大きな災害が起きたとき、平常時に決めておいたルールやマニュアルは機能しない場合もあります。そこで大切なのが『一人ひとりが“よき避難者”となる』ことです」。そう指南するのは、CCJの研修ディレクターを務める吉高美帆さん。
“よき避難者”とは、「受け身で支援を待つのではなく、変化する状況のもとで主体的に適切な行動ができる。そして、自ら助かるのはもちろんのこと、助け合いができる」避難者のこと。『CLASS』でのプログラムも、「ただ参加するだけ」の避難訓練ではなく、近くの階に住む方々と楽しく、防災減災の基礎を学び合えるワークショップを考えていると、吉高さんは語ります。
「『復興応援団』『つなぐネットコミュニケーションズ』などのパートナーと協力し、非常食、トイレ・衛生、安否確認など実践的なテーマを設定しています。特に大きなマンションではたくさんの人々が暮らしていて、災害時にはともに避難生活を送る可能性があります。そのため、普段からの準備がとても大切です。また、町会の方々もゲストに招き、地域全体で命を守り、助け合える関係づくりをサポートしていく予定です。一緒に、“よき避難者”を目指しましょう」


「よき避難者」として助け合うための
実践的な学びと関係づくりをサポート

NAVIGATORCommunity Crossing Japan(CCJ)
websitehttp://communitycrossing.net
研修ディレクター 吉高美帆さん
環境省の「今後の環境教育・普及啓発の在り方を考える検討チーム」に環境教育の有識者として選任され、企業内教育、地域教育、学校教育などさまざまな角度からの検討に参画。東日本大震災後、防災研修を行うCCJを立ち上げる。
主な活動
災害時に住民が主体的に行動できる「よき避難者」となれるように、避難生活まで焦点を当てた防災ワークショップを全国で開催。自ら助かること(自助)と互いに助け合うこと(共助)を、参加型で楽しく学べるワークショップに定評がある。